腰部脊柱管狭窄症は腰痛、下肢痛や下肢しびれ、および歩行継続が困難になる疾患で、近年の高齢者の増加に伴って最近患者数が急増しています。投薬や各種ブロックなどの保存的加療で軽快する場合が多いが、手術が必要となる場合もあり、一般的には圧迫された神経の後方の椎弓を切除する手術が選択され、すべりや不安定性を伴う場合には固定術が選択されることも多く、手術の侵襲は小さくないと言えます。当院ではすべりを伴った腰部脊柱管狭窄症に対しても検査して可能な範囲を検討しています。内視鏡下除圧術は一か所につき、約2cmの皮膚切開で椎弓を切除することが可能であり、切除範囲が必要最小限になるため、術後の不安定性が起こりにくく、固定術が不要となる事が多く、術後の社会復帰や回復が早くなることも期待され、良好な術後長期成績を報告しました。
Aihara T, Endo K, Suzuki H, et al. Long-Term Outcomes Following Lumbar Microendoscopic Decompression for Lumbar Spinal Stenosis with and without Degenerative Spondylolisthesis: Minimum 10-Year Follow-Up. World Neurosurg. 2021; 146: e1219-e1225.
Aihara T, Endo K, Sawaji Y, et al. Five-year Reoperation Rates and Causes for Reoperations Following Lumbar Microendoscopic Discectomy and Decompression. Spine (Phila Pa 1976). 2020; 45: 71-77.