怪我や病気になって、手術を受けることになったら、手術が上手で優しいドクターに手術してもらいたいと思います。 外科医の立場からも、鬼手仏心と言われますが、仏のような優しい気持ちもちながら強い気持ちで手術に臨まなければなりません。 では、どのようにすれば良い外科医になれるのでしょうか。
プロ野球の野村監督は野球についてこのように話していました。 「野球で勝つためには、技術力のみでは限界がある。その先は頭で考えるしかない。そこから先がプロの世界である。 技術の先には頭脳と感性が必要、技術はコーチがしっかりと教え、監督は仕事に対する考え方、態度、感性、哲学を育てなければいけない。」 ひとつのことを頑張り続けるには、思いつきの努力では長続きしません。なぜ、何のための毎日なのかという考え方、哲学が必要です。 簡単にいろいろなことが身につく人は考える機会と時間が少ないのが盲点です。また、自分の不才をしっかりと省みない人も成長しません。 手術ができるようになっても先人たちの技術にあぐらをかいるだけでは、最善の医療はあっという間に過去のものとなります。 人間の最大の悪は鈍感であると言います。手術技術を磨き、技術の先にある人の痛みをわかる感性を育てましょう。 目の前の患者さんにとっての目標の高い最善を考え、工夫をして、さらに次善Next betterも考えて、考え続けることが大切です。