今回2026年3月13,14日の2日間で開催された第38回 日本肘関節学会学術集会へと参加させて頂きましたので、ご報告させて頂きます。
日本肘関節学会は平成元年に第1回が開催され、肘関節外科という専門領域の発展とともに歩んできた歴史ある学会です。肘関節は肩や手関節と比較しても機能解剖が複雑であり、外傷、スポーツ障害、神経障害、変性疾患など多岐にわたる疾患を扱う領域です。そのため本学会では、診断・治療・基礎研究に関する幅広いテーマが取り上げられ、国内の上肢外科医にとって非常に重要な学術集会の一つとなっています。
私自身も中学3年生の時に右肘のトミー・ジョン手術を受けた経験があり、個人的にも誠に勝手ながら大変思い入れのある学会であります。
今回の学会では、東京医科大学から計7演題の発表を行わせて頂き、日頃の臨床および研究活動の成果を発表する貴重な機会となりました。各施設からも多くの興味深い発表があり、肘部管症候群、外側上顆炎、肘関節不安定症、肘関節鏡手術、人工肘関節、腫瘍など、肘関節外科領域における幅広いテーマについて活発な討論が行われました。特に近年はスポーツ整形外科領域における肘関節障害への関心も高まっており、診断や治療戦略に関する最新の知見を学ぶことができ、大変有意義な学会となりました。
また学会期間中には、当教室主任教授である山本先生の最終講義が行われておりました。大学での現地での拝聴が出来なかったため、肘関節学会に参加していたメンバーでオンライン拝聴し、教室一同で非常に興味深く学ばせて頂きました。改めて当教室の研究・臨床の方向性を考える良い機会となりました。

今回の学会には当教室からも多くのメンバーが参加しており、会場にて集合写真を撮影いたしました。参加人数も多かったため、残念ながら全員が写真に収まる形ではありませんでしたが、日頃ともに臨床・研究に取り組む仲間とこのような機会を共有できたことは大変有意義でありました。

また個人的には、桐蔭学園野球部出身で整形外科医として肩・肘を専門にしている
大阪医大の清水先生、日大の岩間先生、千葉大の稲垣先生、そして私市川の4名が、学会の場で初めて揃う機会となりました。それぞれ異なる大学・施設で研鑽を積みながらも、同じ肩・肘領域を専門としているという共通点もあり、久しぶりの再会は非常に嬉しいものとなりました。稲垣先生はシンポジウムの発表もあり、とても刺激を受けました。

今回の学会では、野球肘検診やスポーツ障害の予防に関する講演も多く取り上げられており、スポーツ医学の観点からも非常に興味深い内容が多くありました。こうした取り組みは将来的なスポーツ障害の予防や早期発見に大きく寄与するものであり、整形外科医として社会に貢献できる重要な分野であると改めて感じました。母校である桐蔭学園野球部に対しても、今回学んだ知見を何らかの形で還元できれば良いのではないかと、OB同士で大いに盛り上がる場面もありました。
今回の学会は京都での開催であり、歴史ある街並みの中で全国の肘関節外科医が集い、活発な議論が行われました。学問の議論が交わされる場としての京都の雰囲気は非常に趣深く、改めて日本の医学の伝統と発展を感じる機会ともなりました。
そして帰路につく際、京都駅前にて思いがけない再会がありました。以前当教室に在籍され、現在は広島に戻られてご活躍されている東儀先生が、偶然ご旅行で京都を訪れており、駅前でばったりお会いすることができました。短い時間ではありましたが久しぶりに近況を伺うことができ、思いがけない嬉しい再会となりました。

2日間の学会を通じて、肘関節外科領域における最新の知識を学ぶとともに、多くの先生方との議論を通して理解を深めることができました。学会で得た知見を日常診療に活かし、患者さんにより良い医療を提供できるよう今後も研鑽を続けていきたいと思います。
京都の町は、古くから「学問の道は遠し」と語り継がれてきた場所でもあります。今回の学会を通して得た多くの知見を糧に、我々もまたその長い道を一歩ずつ進んでいきたいと思います。
…とは言え、桐蔭学園の仲間と集まれば話題はやはり野球肘の予防と母校のこと。
肘関節学会で得た知見を胸に、今度は母校のグラウンドにも少し恩返しができればと思いながら、京都を後にしました。
最後に、金・土曜日と学会参加のためお休みを頂きましたことを、この場を借りて上肢グループ一同より御礼申し上げます。
整形外科 市川 裕一

