6月29日から7月1日にかけて広島で行われた第1回日本スポーツ整形外科学会に参加させて頂きましたため報告させて頂きます。学会で広島に行くのはコロナ禍前以来で随分と久しぶりでしたが、天候には恵まれず、3日間とも雨となりました。本学会は昨年までJOSKAS (日本関節鏡・膝・スポーツ整形外科学会)として開催されておりましたが、今年からはスポーツ整形外科学会と日本膝関節学会に分かれました。関節鏡の名前はどこに行ったのか?となりますが、低侵襲手術である関節鏡に関するセッションは今回のスポーツ整形外科学会にも多数含まれております。また、人工関節分野なども完全に切り離されたわけではなく、人工関節術後のスポーツ活動についての発表などもあり、スポーツという領域の広さをあらためて感じました。本学会はスポーツ分野では最大の学会で、さまざまなスポーツに関する発表を聞くことができ、自分がなかなか経験できない症例についての情報を得ることができます。

 私が勉強させていただいている股関節領域でも、人工関節や骨切りを行うHipSurgonだけではなく、低侵襲手術である股関節鏡を行うScopist、さらにはその両方を行う医師など様々な医師が積極的に意見交換をしており、勉強になるパネルディスカッションやシンポジウムを聞くことができました。今回の学会で学んだことを生かし、自身の発表でもさらなる研究成果を出すだけではなく、患者様へフィードバックしていきたいと思います。

今回の当科からの発表演題は以下の通りとなります。

シンポジウム

  • 肩鎖関節高度脱臼に対する鏡視下烏口鎖骨靱帯再建術と追加手術の考え方(高瀬勝己)

パネルディスカッション

  • アスリートの寛骨臼形成不全に対する治療と問題点(山藤崇)

一般口演

  • アスリートに対するコンドリアーゼ注入療法の臨床経過(関健)

ポスター

  • 青年期に裂離骨折を伴った内側半月板後根断裂(MMPRT)を生じた1例(宮内諒)
  • 骨端線閉鎖前の骨軟骨損傷を伴う反復性膝蓋骨脱臼に対して、MPFL再建術と骨接合を同時に施行した1例(遠藤宏朗)
  • 前十字靭帯損傷における早期手術群の半月板損傷について(原口貴久)

関 健