第55回骨軟部腫瘍学会 case report award 金賞受賞報告
辻 華子(令和2年度入局)
現在上肢・腫瘍班に所属しております、令和2年度入局の辻華子と申します。
2022年7月14日、15日の2日間、船堀にて第55回骨軟部腫瘍学会が開催され、私は症例報告のセッションで発表をさせていただきました。
この度、若手を対象としたcase report awardにて金賞を受賞いたしましたので、この場を借りて報告させていただきます。
今回の学会は現地発表とオンデマンド配信のハイブリッド開催で、症例報告のセッションは全てオンデマンド配信での発表でした。
その中で、「病的骨折に対し、創外固定、デノスマブ投与にて骨癒合獲得後、関節鏡を併用し掻爬を行った大腿骨遠位端骨巨細胞腫例」という演題名で、26歳男性の骨巨細胞腫の症例を報告させていただきました。
病的骨折を来した骨巨細胞腫は治療に難渋することが多いとされていますが、私たちは病的骨折を来した骨巨細胞腫に対する治療を段階的に行うことで良好な成績を得ています。
具体的には、
①デノスマブの投与
②病巣掻爬ならびに骨セメント充填、プレート固定
③プレートの抜去
という流れで治療をすすめています。
本症例では病的骨折により膝外反変形を呈していたため、上記に加えて、掻爬術に先行し創外固定によりアライメントを矯正しました。
さらに、関節内骨折を来していたのですが、掻爬術の際にスポーツ班の先生方にもご尽力いただき、関節鏡を併用することで関節内切開範囲を最小限に抑えることが可能となった、多くを学ばせていただいた一例でした。
今回の受賞は、山本教授をはじめとする多くの医局の先生方のご指導の賜物です。
特に、学会直前までプレゼンテーションの指導をしていただいた西田教授、抄録作成の段階からスライド作成まで丁寧にご指導いただいた市川先生には感謝の念に堪えません。
この場をお借りしてお礼申し上げます。
来年度は、骨軟部腫瘍学会が当教室主催で開催されます。
今後も初診を忘れることなく、医療の発展に貢献できるよう一層精進してまいります。